脱Excelはなぜ必要か 5個のポイントで理解する [Excelの達人依存からの脱却]

「脱Excel」という言葉を耳にしますが、なぜ必要なのでしょうか。Excelは多くの企業で活用されていますが、使い続けるとさまざまなデメリットが発生します。

本記事では、脱Excelすべき理由や実現するための方法を解説します。

目次

「脱Excel」とはなにか

脱Excelとは「効率性・信頼性・管理性」の観点から、Excelを中心として行っている業務を別のツールやDBに移行することを指します。

脱Excelといっても、Excelを完全に利用しないわけではなく、「Excelを中心とした業務からの脱却」「社内の『Excelの達人』に依存した業務からの脱却」を意味するので、「自動化処理されたデータの表示ツールとしてExcelを引き続き使う」ようなケースが大半です。

例えば、今までマクロを使って大量のデータをExcelへ収集し、そのデータをExcel上で加工する業務があったとします。脱Excelをするのであれば、Excelを用いた大量のデータ収集・加工といった業務は、別の自動化ツールで行い、処理済みのデータを閲覧するときにのみExcelを利用します。

このように、脱Excelはあくまで「Excelでの大量データ処理からの脱却」を意味します。

脱Excelすべき5つの理由

脱Excelすべき理由には、主に以下の5つが考えられます。

  • ヒューマンエラーによるデータ信頼性低下
  • 大量のデータ処理によるパフォーマンス低下
  • ブラックボックス化による属人化
  • 手作業のデータ編集による効率の低下
  • バージョン管理が難しく最新情報の随時更新には不向き

それぞれ詳しく解説しましょう。

ヒューマンエラーによるデータ信頼性低下

企業によっては「Excelの達人」のような人に業務を支えられているケースがあります。しかし、どれだけExcelに精通している人であっても、手動で作業をおこなっている場合、ヒューマンエラーは防げません。

例えば、関数を駆使してデータの加工をしても、参照先の間違いなどによって加工された値が異なってしまいます。このように、ヒューマンエラーが発生するとデータの信頼性が確保できなくなり、重要な意思決定に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。

大量のデータ処理によるパフォーマンス低下

Excelで扱えるデータは100万件までとなっているものの、大量のデータをExcelで処理するとデータ操作中のパフォーマンスの低下や操作フリーズが起きやすくなるため、100万件のデータをExcelで処理するのは現実的ではありません。Excelを業務で活用する前提であれば、Excelで扱うデータ量は数千件〜数万件程度が現実的です。

また、扱えるデータが100万行までしかない、というのもExcelのデメリットとなるでしょう。100万行より多いデータをExcelで扱えないため、日々データを蓄積していくような処理はいつか限界をむかえてしまいます。大量のデータを管理していくのであれば、ツールやデータベースの活用が欠かせません。

ブラックボックス化による属人化

「Excelの達人」のような人がいる職場では、そうした達人にExcelの難しい作業を任せてしまいがちです。しかし、誰かに依存してしまうと、業務がブラックボックス化してしまい、担当者が休んだときや退職した際に、他のメンバーが業務をおこなえないなどの問題が生じます。

例えば、複数のファイルを扱うマクロによって普段の業務が回っているとします。マクロの実施時には、特定のパスにファイルを格納し、決められた順番でマクロを実施していくケースが多いです。しかし、これらの手順はマニュアル化されていないことが多いため、担当者の不在時には業務が止まってしまい、多くの影響を与えてしまいます。

手作業のデータ編集による効率の低下

いまだ多くの企業では、データソースから取得したExcelを現場で編集して、定形レポートを作成しています。これは、繰り返しの定型作業を自動化させず、人がおこなうという効率が悪い業務をやめられないことを意味するでしょう。定型業務は、バッチ処理やRPAなどを活用することで自動化が可能です。

バージョン管理が難しく最新情報の随時更新には不向き

Excelを共同編集するような場合がありますが、そもそもExcelはバージョン管理に向いていません。そのため、どのバージョンが最新かを都度確認しないといけないような面倒が生じる場合があります。

Excelは最初に開いた人がファイルをロックしてしまうため、次に開いた人が編集した内容を反映できません。多くの方は、別ファイルとしてExcelを生成し、そこに反映した内容を最終的にマスタファイルへと統合します。しかし、こうした別ファイルが複数生成され続けることで、どれが最終的なバージョンなのかがわからなくなってしまうでしょう。ほかにも、さまざまなリスクが考えられます。

どのように脱Excelを実現するか

脱Excelをするには、以下4つの方法が考えられます。

  • ETLツールの利用
  • DBの利用
  • BIツールの利用
  • 統合ツールの利用

ETLツールの利用

複数のデータソースから取得したデータを編集する際に、Excelを用いて手動でおこなうのではなく、ETLツールを用いることで「データ取得・データ加工・データ出力」のすべてを自動化できます。

ETLツールはExcelだけではなく、SaaSやDBなどさまざまなデータソースとの接続が可能です。さらに、データ加工が自由自在なため、データソースの修正に伴うプログラム修正も手軽に実現できます。

DBの利用

Excelで管理していたデータをDBで管理することで、より多くのデータを効率的かつ高い信頼性を持って管理できます。

Excelでの管理は、100万行までの制約があるのに加えて、データ量が多くなるにつれてパフォーマンスが低下してしまいます。これに対してDBを利用すると、パフォーマンスを下げずに大量のデータ管理が可能です。また、データ管理におけるヒューマンエラーによるデータ信頼性の低下も防げます。

また、BIツールを通じたデータ閲覧・確認も容易になります。

BIツールの利用

「脱Excel」は、あくまでExcel上での大量データ処理からの脱却を意味し、Excelでのデータ閲覧を問題としているわけではありません。しかし、煩雑なバージョン管理や、多数のデータソースからデータを取得して効率的に確認することを考えると、BIツールの利用が効率的です。

BIツールで作成されたダッシュボードを閲覧し、そこから必要な情報を絞り込んでいくことで、常に最新の情報を確認でき、また「Excelで複数のファイルを開いて、何度も画面を切り替えながら確認する」といった面倒が発生しません。

先述したETLツールで必要なデータを収集・加工し、BIツールにより透過的にデータにアクセスできるようにすることで、データ閲覧・確認作業も効率化できます。BIツールは、下記の記事でも詳しく解説しています。

統合ツールの利用

統合ツールとは、「DB」と「UI」の両方を提供するツールを指します。有名なものではサイボウズ社が提供する「kintone」があり、ツール内で効率的なデータ管理や運用が可能です。

統合ツールは、高い利便性がある反面、特定のベンダーにDBとUIの両方を委ねてしまうことを意味するため、統合ツールからの脱却が難しくなり、特定のベンダーにロックインされた状態となります。このため、統合ツールをある程度利用してから、「DBだけ変更したい」「UIだけ変更したい」といった際の移行が困難となります。このため、メリットとリスクの両方を勘案した上での利用を推奨します。

脱Excelを実現する「Reckoner」

脱Excelをするためには、今回紹介した4つの方法から自社に適したものを選定する必要があります。しかし、専門的な人材が不在の場合、どの方法を選択すべきか悩むでしょう。

弊社で提供するクラウド型のETLツールの「Reckoner」は、以下のケースに効果的です。

  • データを手動でExcelに取得する(エクスポート、ダウンロードする)
  • データを手動でExcel上で加工する
  • データを手動で出力・ロードする

ETLツールは、上記の作業を自動化できるため「効率性・信頼性・管理性」を向上させながら脱Excelを実現できます。多数のデータベースやSaaSアプリケーションとの接続が可能で、シンプルなGUIにより、ノーコードですべてを完結できることも魅力的です。さらに、フルマネージドサービスでの運用となるため、運用工数がゼロとなります。

現在Reckonerでは無料トライアルを受け付けているため、今後ETLを新たに導入検討する企業はぜひご参考にしていただければ幸いです。

また、ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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