海外拠点とのデータ連携を行う上での課題とその対策

マーケットの拡大、コストの削減などを理由に海外拠点を増やす企業が多くなっています。近年はクラウド化により、国をまたいだデータ連携が容易になりました。

しかし、ERPなどの業務管理システムは工場や国・地域ごとの独立性が高く、グローバルで一元運用されている例が少ないのも実情です。また、ネットワークの問題などもあり、完全なリアルタイムでのデータ連携にも限界がある場合があります。

これらを踏まえて、海外拠点とのデータ連携について課題と対策を解説します。

目次

海外拠点とデータ連携するメリット

海外拠点とデータ連携するメリットには主に下記の3点が考えられます。

  • 海外拠点の状況がリアルタイムに把握できる
  • 海外拠点のナレッジを集約できる
  • 海外拠点を含めた企業全体の経営判断が可能になる

それぞれ解説しましょう。

海外拠点の状況がリアルタイムに把握できる

データ連携により、海外拠点の状況がリアルタイムに把握できます。国内だけのデータ連携に限定すると、海外拠点の状況を把握するまでにラグが発生してしまい、リアルタイムの判断が難しくなるでしょう。

海外拠点の状況を知るためには、電話やメールなどで連携する必要が発生するため、作業工数も発生してしまいます。また、ヒューマンエラーの発生も考えられるため、データの信頼性が落ちるリスクもあります。

海外拠点のナレッジを集約できる

海外拠点のデータが国内に連携されることで、海外拠点ならではのナレッジを集約できます。海外拠点のデータ連携を実施しない場合、本来であれば海外で把握していた情報を国内の拠点に共有できず、販売や効率性向上の機会損失につながる可能性があります。海外拠点と同じデータ基盤を構築することで、リアルタイムな情報の連携が可能となるため、最新のデータをもとに業務を進められます。

海外拠点を含めた企業全体の経営判断が可能になる

グローバルに展開する企業は、国内だけではなく、海外拠点を含めた企業全体の経営判断が求められます。海外拠点とのデータ連携を実装できれば、国内と海外それぞれの情勢に合わせた経営判断ができるため、その場面に応じた最適な対策をとっていけるでしょう。

例えば、新型コロナウイルスのような社会全体に影響を与える問題が発生したときに、各国の販売状況などを常に把握しておくことで、今後の販売計画をリアルタイムに判断していけます。そのほか具体的な課題の解決については、下記の記事で詳しくまとめているのでぜひ参考にしてください。

従来の海外拠点とのデータ連携の課題

海外拠点とのデータ連携にはさまざまなメリットがあります。一方で、国内だけのデータ連携では生じなかった以下の課題や問題点があります。

  • IT管理者が不在のケースがある
  • ITインフラの環境の違い
  • 管理しているデータの違い
  • そもそも海外拠点とのデータ連携の仕方が分からない
  • タイムゾーン(時差)による緊急対応や深夜作業

それぞれ解説していきます。

IT管理者が不在のケースがある

IT管理者は、データ連携のモニタリング、バッチなどの管理、エラー発生時のリカバリー作業など専門知識を必要とする業務が発生します。しかし、海外拠点の規模によっては人材の確保が困難となるケースがあり、データ連携をスムーズに運用できない場合があります。

ITインフラの環境の違い

海外拠点によっては、国内よりもITインフラが遅れている可能性があります。また、国内よりも海外拠点のほうが事業規模が小さく、環境整備にコストをかけられないケースも多いでしょう。Excelなどを活用してメールやオンラインストレージでデータ共有をする方法もありますが、データ量や事業規模が拡大をし続けることで、作業コストが膨大になってしまう可能性が高いです。

管理しているデータの違い

海外拠点は言語や法律、商習慣などの違いで国内とデータフォーマットが違うケースが考えられます。たとえ同じERPシステムを導入していても、データの持たせ方に若干の違いがあり、データをそのままの状態で連携できるケースは少ないのが実情です。海外拠点からデータ連携をするときに、データ変換をしてから取り込みを実施する必要が出てくるため、多くの工数が発生します。データに対する考え方を統一するためには、企業内でデータガバナンスを定義する必要があるでしょう。

そもそも海外拠点とのデータ連携の仕方が分からない

海外拠点のデータをどのように連携させるのかわからない企業もあるでしょう。国内の場合は、VPNなどで拠点間を接続し、ツールやバッチなどを使ったデータ連携が可能です。しかし、海外拠点になると、国をまたぐためどのような手段で実施するべきか迷う場合が多いでしょう。

タイムゾーン(時差)による緊急対応や深夜作業

海外拠点の場合は、拠点間で時差が発生するケースもあるため、緊急対応や深夜作業への対応が課題です。あらかじめ深夜帯の人材を確保しておく必要があり、もしものときのために備えてかなければなりません。

海外拠点のデータ連携をクラウドETLで一元的に実施

海外拠点は、IT管理者不在、インフラ不足などにより、国内ほど十分なIT運用環境がありません。しかし、データ連携をグローバルでおこなうことは、経営全体の数値把握のために不可欠です。よって、海外拠点でデータを処理するのではなく、日本本社で一元的におこなう仕組みを構築するほうが、データ処理の信頼性や工数の観点からも望ましいでしょう。

このデータ処理、データ連携を実現する方法がクラウドETLです。ここでは、クラウドETLの活用で得られる3つのメリットを解説します。

各現地法人のIT管理者の削減

日本本社で一元的に処理をおこなうため、海外拠点に専門性の高いIT管理者を設置する必要がありません。海外拠点とデータ連携をするときには、日本本社側でデータソースの選択、加工・変換処理の実装、統合データベースへのロードといった一連の作業をします。そのため、海外拠点のIT管理者は決められた手順にしたがって必要なデータを抽出するだけで十分です。

自動化によるデータの信頼性向上

日本本社で一元的な処理かつ自動化されているので、ヒューマンエラーが削減されてデータの信頼性が向上します。各拠点で処理をする場合、担当者のスキルによってデータ処理の精度が異なる可能性があります。その結果、最終的に出力されるデータが異なってしまい、信頼性の低いデータを参考にしながら経営判断をしていかなければなりません。クラウドETLの導入かつ日本本社で一元処理をすることで、データ処理が統一されて信頼性の高いデータでさまざまな判断を行っていけるでしょう。

現地スタッフのデータ処理負荷の軽減

現地のスタッフは、必要なデータを簡単に抽出できるため、処理にかかる負担を削減できます。今までは、データ抽出はエンジニアなどに依頼して抽出してもらう必要があり、お互いに工数がかかっていました。クラウドETLでデータ連携を実施すると、現地スタッフはBIツールなどで自分の好きなデータを好きな形で抽出できるでしょう。

クラウドでのデータ統合基盤の構築は弊社にお任せください

海外拠点とのデータ連携は、企業全体の経営判断をリアルタイムにおこなっていけます。しかし、IT管理者の不在やインフラ不足などにより、データ連携をスムーズに実施できないと悩む企業が多く見られます。

当社が提供するクラウドETL「Reckoner」を利用すれば、クラウドでのデータ連携基盤の構築を短期間・低コストで実現可能です。

ETLツールは、データの取得・加工・出力を自動化できるため、データの信頼性・作業の効率性が向上し、コスト削減にもつながります。また、多数のデータベースやSaaSアプリケーションとの接続が可能で、シンプルなGUIによりノーコードですべてを完結できることも魅力的です。さらに、フルマネージドサービスでの運用となるため、運用工数がゼロとなります。

現在Reckonerでは無料トライアルを受け付けているため、今後ETLを新たに導入検討する企業はぜひご参考にしていただければ幸いです。

また、ETLツールについて詳しく知りたい、ETLツールの選び方を知りたいという方はこちらの「ETLツールとは?選び方やメリットを解説」をぜひご覧ください。

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