【データ分析の必要性】ビッグデータがもたらす3つの価値
ビッグデータを適切に活用できれば、企業の新しい価値の創造や競合優位性の確立に繋がります。しかし、多くの企業は膨大なデータを活用する術を知りません。
本記事では、ビッグデータの扱いやデータ分析の必要性、活用方法について分かりやすく解説していきます。これまで蓄積してきた大量のデータを、今後どのように事業に活用していけば良いのか理解していきましょう。
目次
ビッグデータを活用すべき理由
「ビッグデータの活用が重要だ」といくら言われても、正直ピンときていない企業様も多いのではないでしょうか。
平成26年度に総務省が提出した「情報通信白書」によると、国内全産業の売上約1,336兆円に対して約61兆円(4.6%)がデータ活用による売上向上効果となっています。
※売上向上効果額=(卸売業または小売業の)売上高*21×データ利用率×平均売上向上効果
参照:平成26年 情報通信白書
また、令和2年の情報通信白書によれば下記のような調査結果も出ております。
以前に比べ、データの流通量が増加していることが把握できます。これにより、4.6%だった売上向上効果の割合も令和3年現在では、より高い割合を占めているのではないかと予測されます。
これらの資料からもわかるように、データを活用する企業としない企業の格差は、今後さらに拡がることは間違いありません。これは日本の企業間だけでなく、アメリカやドイツといった、データ活用を積極的に取り入れている企業との差も拡がるということを意味しています。
ビッグデータ分析がもたらす3つの価値
ビッグデータ分析の価値は、大きく3つに分類されます。
新たな可能性の発見と課題の発掘
ビッグデータの分析は、今まで発見できなかった事業の課題や新たな可能性の発見に役立ちます。「経験上こうしたほうが良い」「前回やったときはこうやって成功した」といった経験則による改善ではなく、データに基づいて課題を発見・改善し、新たな道を切り開くことが可能になるのです。
自社で蓄積したデータだけでなく、外部の人の行動データや市場データを見える化することで、今まで見えていなかった市場や新たな可能性にも気づけるでしょう。
データに基づくスピード感のある意思決定
目まぐるしく変化する現代社会において、迅速な意思決定は不可欠です。データ分析は意思決定をする際の判断材料として、なくてはならない存在です。スピード感を担保しつつ、正確で合理的な判断が行えるよう、サポートしてくれます。
現状分析および確度の高いマーケティングプランの立案
データ分析をすることで、正確に現状を把握することができるため、確度の高いマーケティングプランを立案できるということも大きなメリットです。
「なんとなく」のマーケティングプランを廃止し、データに基づいた正確かつ再現性の高いプランを実施することで、事業の失敗を最小限にとどめることができます。計画通りに事が進まなかった状況においても、失敗で得たデータを再度分析しなおすことで、プランをブラッシュアップしていくことも可能です。
データ分析は対象となるデータ量が多ければ多いほど、より正確な分析が行えます。そのため、膨大なデータ量である「ビッグデータ」を活用すべきだという考えは至極当然のことです。
ビッグデータを活用するために「DataOps」を導入する
ビッグデータの活用はビジネスに大きな影響をもたらしますが、ただ闇雲にデータを集めるだけでは分析のための準備に時間がかかります。また、保存するデータが多くなる分、必要なデータにアクセスするまでの工数もかかるでしょう。
そこで、ビッグデータ活用のために取り入れたい考え方が「DataOps」です。DataOpsとは何か、DataOpsを導入するために何が必要なのかを解説します。
DataOpsとは
DataOpsとは、開発と運用が連携して開発を進める「DevOps」の考え方を、データ管理に応用したものです。データの管理者側と利用者側が連携し、できるだけ少ない工数で効果的なデータ活用を目指します。
また、データ管理をできるだけ自動化する点もDataOpsの特徴です。従来は、分析に必要なデータの抽出や整形は手作業で行われる部分が多くありました。しかし、できる限り処理を自動化すれば、円滑なデータの活用が期待できます。
DataOpsの導入には、次のようなメリットがあります。
- 生産性の向上
- データ活用のスピードアップ
- データの信頼性向上
- コンプライアンスの向上
DataOpsでは、従来手作業で行なっていた作業をできる限り自動化します。今までデータ処理に割いていた時間で別の業務を行えるため、生産性の向上が期待できます。
また、従来は部門や業種毎にデータが保存されており、社内に蓄積されているデータすべてを横断してアクセスするには多くの工数が必要でした。DataOpsでは、データのサイロ化を防ぎ、必要な時にシステム間で相互にデータにアクセスできる状態を実現します。
さらに、自動化によってデータ処理の時間が短縮されることで、データ活用のスピードアップも期待できます。常に最新の分析結果を、ビジネスの意思決定に役立てられます。
各部門ごとに異なるシステムを活用しデータを保持している場合、同じデータでも違う形式で管理していたり、データの重複が発生する可能性があります。このような信頼性の低いデータを分析に利用してしまうと、分析結果も信頼できないものとなってしまいます。
DataOpsによってデータの保存ルールを定めれば、信頼性の高いデータだけを保存し、分析に利用できます。
DataOpsではデータの信頼性を保つために、データがどこからきて、いつ誰が編集したのかを記録することも重要です。逆に言えば、誰かが不正なアクセスをしてデータを書き換えたり、不審な編集をしたりすれば記録が残る仕組みのため、コンプライアンスの向上も期待できます。
DataOpsに必要なこと
DataOpsを進めるためには、次の3つのポイントを押さえておく必要があります。
- データの民主化を進める・再現性を高める
- データ分析環境の構築
- データドリブンな組織の形成
それぞれの内容を詳しく解説します。
データの民主化を進める・再現性を高める
BIツールで実施できるデータ分析よりも高度な分析を行うのは、主にデータサイエンティストなどのエンジニアです。そのため、ユーザーが分析できる領域はBIツールがカバーする機能や領域に限られていました。そして、BIツールの範囲を超えた分析はユーザー部門では行えず、都度、情報システム部門の支援が必要となっていました。
データの民主化とは、意思決定を行う部門が、意思決定に必要な情報を自身で取得し、分析を行える基盤が提供されるということです。もちろん、ある程度高度な分析を行うためには、ユーザー部門も技術について学習しなければなりません。しかし、データ分析に関して学習を行った人であれば、誰でも必要なデータにアクセスでき、自身で分析を完了できるようになる。これを実現するための手法がDataOpsとも言えます。
データ分析環境の構築
「分析に必要となるかもしれない大量のデータ」が、データレイクに入ったままになっている。こうした企業は少なくありません。しかし、データレイクに入っているデータはそのままでは分析可能ではないため、必要な加工を行った後にDWHにロードする必要があります。
データレイクを「データ沼」とするのではなく、分析のために活用するためには、「どのような分析が必要となるか」「それに従い、どのようなデータを変換し、DWHに準備すればよいか」を決める必要があります。もちろん、この変換の場面でETLが活用され、自動で必要なデータが準備されるようになります。
必要なデータが正しい状態に変換され、分析可能となってはじめて、データ分析環境が構築されたといえます。
データドリブンな組織の形成
データ分析可能な環境を提供することに加えて、データに基づく意思決定を行うための企業文化が必要となります。せっかく仮説に基づきデータを分析したとしても、最終的な決定が「勘と経験」に基づいていては、「データが活用されている」と言えません。
このためには、データドリブンな組織ならびに文化が不可欠です。具体的にどのような考えや取り組みをすれば良いのかは、下の関連記事をご覧ください。
関連記事:データドリブンな組織と活用戦略
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